メモ帳@未完成

ふと考えたことに関してのメモとして

問:炎上プロジェクトのきっかけってなんですか?

答:導入コストをケチる。予定作業が膨らみ続ける。

久しぶりに記事を書きました。

というのも、9月から10月にかけて新しくプロジェクトに参画するために

引越し作業や調整作業がバンバン入っていたのでなかなか自由な時間が

取れなかったからですね。

 

で、新しく参画したプロジェクトはもはや炎上の状態だったので、

アラートはガンガン上げていたつもりなのですが聞き入れてもらえず、

私より後に新しい人を追加することはとうとうなく、

プロジェクトは窮地に立たされている状態です。

(自分が窮地に立たされているわけではなく常駐している客先の話なので半ば他人事)

 

ところで、なぜアラートを上げるに至ったかですが、

私は今回とまったく同じ状況を6~7年前に経験していたからです。

当時は最大で、月の稼働時間が298時間で残業は135時間ほどまで膨らみ、

それでも人は入れられず何とか捻じ込んだみたいな終わり方をしました。

 

なぜマネージャーは人を入れることをためらったのか。

また、なぜプロジェクトは炎上してしまったのか。

いろいろな理由がありますが大きく2つ紹介していきます。

 

  1. 導入コストが高すぎる
  2. 予定していた作業が膨らみ続ける

 

1.導入コストが高すぎる

実際は高くないことが多いのですが今回と前回に共通する"あるコト"により

導入コストが飛躍的に高くなるように感じてしまいます。それは、

すでにプロジェクト終盤(最終まで2ヶ月以内)

の時期に突入してしまっているということです。つまり、

『残り少ない納期から新メンバーを導入するのは割に合わない』

『だったら稼動を上げて対応した方が効率が良いのでは?』

と考えてしまうわけです。

 

ひと昔前、5年前であればそれでもなんとかなるかもしれませんが、

時代は変わり長時間残業は懲罰モノということが広く認知された現代では

この手法を執ることは非常にリスキーなものであると言わざるを得ません。

会社ぐるみで制限を設けるということも多いので、

今のプロジェクトでは残業時間をどこで使うか、といった調整を行わないと

月末までたどり着けないメンバーが出るほどの混乱っぷりです。

特にキーマンとなるメンバーが離脱を余儀なくされると、

他のメンバーでは対応しきれない ⇒ 次の日のキーマンの作業が増える ⇒

キーマンの作業があふれる ⇒ しかしキーマンは残業できない ⇒

他のメンバーでは対応しきれない!!(以下無限ループ)

という脱出不可能なジレンマが発生します。

 

それを助けるには、多少の導入コストを払ってでも人数を増やし、

権限委譲を速やかに行っていくことでさらなるキーマンとなれるメンバーを増やし、

全体のスループットを維持、増加できるようにしなければいけません。

 

また、この方法はプロジェクト完了まで2ヶ月以上残っていなければ難しいです。

新しいメンバーはスーパージーニアスな鎮火のスペシャリストではなく

とにかく間に合わせの人員であることが多いです。

いや、スーパージーニアスでもそこそこの時間はやはり必要です。

その場合、1ヶ月目は立ち上げ・導入。

それ以降で取り返していくということが(経験上ですが)多いからです。

ですのでマネージャーは人員の追加を2ヶ月前までに決断しなければいけません。

 

しかし、多くのマネージャーはこの決断ができません。

なぜなら2ヶ月前というのは

『納期を調整をしたぞ!このまま行けばなんとか間に合う!』

みたいな状況になっていることが多いからです。

 

2.予定していた作業が膨らみ続ける

 

なんとか納期が調整できたぞ!という後に発生する負のスパイラルとして

『未熟な成果物を産み出し続ける』というものがあります。

というよりも、炎上するプロジェクトというのは突然炎上するわけではないのです。

 

ひとつは、メンバーが火種を隠し持っているパターン。

この場合は納期直前に隠しきれなくなった炎が突如熱風を巻き起こし

あれよあれよという間に拡大してプロジェクト全体を飲み込んでいきます。

プロジェクトのベースの未熟な部分を隠し続けた結果、

全体を揺るがすようなインシデントにつながってしまうというものです。

(ハードウェア的に互換性の無い部品同士を使用する設計になっていて

 そもそも実現不可能な商品を開発していた、等)

 

もうひとつは、序盤から中盤辺りですでに発火しているのですが、マネージャーが

鎮火させずにコントロールしようとした結果炎上するパターンです。例えば、

1.中間納品日に未熟な成果物を納品する

2.その際、次の納品で修正を約束する

3.次回納品に対する案件が増える

4.予定していたよりも増えているので作業があふれる

5.未熟な成果物を納品する (以下無限ループ)

(せめて4.の時点で作業があふれないようにできれば助かったのに。)

 

これを終盤まで繰り返した結果、顧客からの信頼を失ってしまい、

さらに詳細な資料の作成やデータの提出を求められてしまうということです。

顧客も終盤となれば正確なものでなければ受け取りたくないとなります。

当然といえば当然なのですが、この場合は過剰な品質を要求されることが多く、

しかし作業側は今までの経緯があるためそれを断れないというジレンマに陥ります。

 

この段階で『不要なものは不要!』と言い切れるマネージャーであれば良いですが、

そもそもこのパターンに入り込む時点で先延ばし体質のマネージャーであるので

期待はできません。

その結果、本来予定されていなかった作業が突如膨らみ

担当者は過剰な品質の要求によりさらに疲弊し成果物内にミスが増え

さらなる品質低下と納期の延長という地獄のループにはまり込みます。

 

 

まとめ

どちらのケースも過去の因果を断ち切らなかったために引き起こされており、

人の追加なら2ヶ月前までに決断、成果物ループは小さな遅延の時点で鎮火を

心がけていれば引き起こされることは無かったように思います。

今回の場合はこれだけでなくさらに他の問題も絡みついて非常に大きな炎に

育ってしまっているので、無事に鎮火できるように尽力していきます。

プロジェクトとか関係ない、日々の生活にも今回の教訓を活かせたら良いなと

思っています。